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・・・なぞと言ったところで、私も別に譜読みは早くないのだが、ここには短いながら、私が譜読みをたくさん短時間でやらなくてはいけない時に使っている方法を書いてみる。

1.先ずはノートに書き出す。

まずは、弾かなくてはいけない曲を全部ノートに書いてみよう。曲数が多いとこれを書き出すだけで結構頭が整理できる。書き込んだら、「おそらく苦労しそうな曲」と、「大丈夫そうな曲」「過去に弾いたことのある曲」を区別しよう。私はマーカーで色分けしている。これで、どの曲に一番労力を割く必要があるのか分かる。

2.初見は、まず通す。

特に長い曲(30ページを超えると私は厳しい)だと、初見で通し切るのは難しいのだが、まずは最後まで弾き切ることを目標に最後まで行ってみよう。これの目的は、自分が集中的に練習しなくてはいけない箇所を探すことだ。今でもよく失敗するのだが、曲をいつも最初から練習していると、「最初は弾けて最後は弾けない」という状態に陥る。だが、フィナーレにかけてテクニック的な盛り上がりを持ってくる曲も多いので、最後が弾けないと大変困る事態になる。本番でも体力と集中力が落ちるのは後半なので、本来は後半こそ練習すべきなのだ。その前段階として、まずは最後まで弾いてみよう。一回通すことは、自信にもなる。

3.初見した日はよく寝る。

「なんでこんなに全然弾けないんだ」と絶望した次の日に弾いてみたら、あっさりと弾けることがないだろうか。睡眠中に頭が整理され、弾けるようになるのだと思っている。「寝ると上手くなる」なんて詐欺のようだが、よく練習したらその日はよく寝ると良い。楽器から離れている時間に為される脳の整理整頓力は偉大だ。

4.時間がない時はひたすら聴く。

特に、アンサンブルの場合。ソロだと、自分の音楽を作るために録音を聴かない方が良いこともあるが、時間がない状態でアンサンブルを仕上げる時は、絶対に録音を聴いた方がいい。特に、出入りを合わせるところや、ズレやすいところを見つけるために、録音を聴くのは有効だ。できることならYoutubeで動画も見て、奏者がどこで息を合わせているか視覚的に確認すると良い。上手いのだけでなく、しろうとくさいのも観ると良い。しろうとであればあるほど、難しい箇所で簡単に落ちる。どこが大変なのかそれを見て確認しておこう。

5.アンサンブルの場合は、仕上げすぎない。ソロの場合は、最初からしっかり出来上がり図を見据える。

アンサンブルは、初めて相手と合わせてからが本番とも言えるので、一人で譜読みしている段階でカチカチにテンポやコンセプトを決めすぎない方が良い。相手がどうやって出てくるかによってフレキシブルな対応が可能なように、音楽を作りこみすぎない方が後々楽だ。リハーサル時間が1日しかない、と言うような場合には、できれば事前に相手が演奏している録音をもらって、相手の演奏がどんなものか把握できていると良い。そうでなかったら、もう仕方ないので、せめて色々なテンポに対応できるようにしておこう。逆にソロは、舞台に上がってから「アレ、何がしたかったんだっけ」となるとかなり焦るので、最初の時点から頭の中に出来上がりの理想図を書いていく方が、私の場合は上手くいく。

6.曲の構造を理解しておく。

私はあまりこれが得意でないのだが、かなり大事だ。例えばソナタを弾く時とかは、「提示部ー展開部ー再現部」と大きく進んでいくわけで、「提示部」と「再現部」は似たようなパッセージを弾くわけだ。二度手間で同じことに苦労しないよう、どこが一緒でどこが違うのか、最初の時点で把握しておこう。これは暗譜にもかなり役立つ。

7.最後は度胸

どんなに頑張っても、どんなに緻密に計画を立てても、

「ごめん、一週間しかないんだけどどうしても伴奏者が見つからなくて・・・お願いできないかな?」

という事態は、絶対にやってくる。そして、それを引き受けなくてはいけない局面も絶対にやってくるのだ。そうなったらもう仕方ない。舞台に立つ前、最後の1秒まで、楽屋で足掻こう。楽譜を見て、録音を聴いて、指を動かそう。でも、舞台に出たら、それらはもう関係ない。準備は準備、本番は本番だ。できる限りのことをやったのだから、誇りを持って演奏しよう。落ち込むのは後だ。堂々と弾こう。

 

以上。アイキャッチ画像は、ギリギリ感が伝わってくると思いこの画像にした。いつも崖っぷちを走る私からのライフハックが少しでも誰かの役に立ったら嬉しい。

 

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